岩田久利との結婚後ガラスの仕事を始めた岩田糸子は、幼少期の海外生活で身に付けた国際感覚と少女時代から養われた文化的素養を背景に、
自由な発想と女性らしいセンスで制作に取り組みました。
独自の技法を数々編み出し、斬新な花器や日常に使えるガラスの和食器、鉄と組み合わせたガラス家具など、生活を演出する作品を次々と発表しました。
中でもガラスの照明は、かつてないインテリアのひとつとして一世を風靡しました。
鮮やかな色を使い、ガラスの躍動の瞬間をとらえたダイナミックな作品は、糸子自身の生命力みなぎる人柄をも彷彿とさせます。
藤七・久利に続き、装飾壁面も多くの場所に設置され、50年を超える制作活動の後半には茶器にも挑戦しました。
国際的な交流も積極的に進め、日本のガラス工芸を世界に知らしめると同時に、その活躍はガラス工芸に留まらず、
美術界や他の分野にも及び、数多くの国際的な役職を務めました。
晩年は、倉敷芸術科学大学で教鞭をとる傍ら、80歳から始めた「飾り玉」を精力的に制作し、86歳で亡くなるまで毎年個展を開催しました。
主な作品収蔵
ニューヨーク・コーニングガラス美術館
ニューヨーク・メトロポリタン美術館
デュッセルドルフ美術館
デンバー美術館
© Copyright 2009 iwataglassart.com All rights reserved.