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岩田久利 金彩大鉢「牡丹」
岩田家のガラス芸術

岩田久利  色ガラスの粋

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 岩田藤七の長男として生まれた久利は、幼い頃から父の緊迫した制作現場と、卓越した作品を絶えず目の当たりにしていました。 青年時代、文学・演劇・デザインなど、多方面にわたり造詣を深め、東京美術学校(現東京藝術大学)図案科に進み、 父の拓いた「日本のガラス工芸」をさらに究め、独自のガラス芸術の世界を作りました。
 久利の作品は、繊細華麗、金箔を縦横に使いこなした、端正な美しさを放つ作風に代表されます。 また、銅器・漆器・陶器を彷彿とさせる、高度で緻密な技法を駆使した作風、ガラスの不透明色の魅力を大胆に生かした作風など、絶えず新たな表現に挑戦し続けました。 その色ガラスの粋を集めた作品は、芸術界をはじめ、文学・財界・政界など、幅広い層の人々を魅了し、日本のガラス芸術の第一人者として評価されました。
 一方で、藤七から受け継いだ「生活に使える美術品の普及」を目指し、岩田ガラスの販売を全国的に拡大しました。
 晩年は、黒、赤、白、青などの単色で生命の躍動を感じさせる大作の制作を始めましたが、多くの可能性を残しつつ68歳の若さで逝去しました。

岩田久利の写真
  • 1925年 [大正14年] 東京新宿弁天町に岩田藤七の長男として生まれる。
  • 1939年 [昭和14年] 小寺健吉画塾に学ぶ。
  • 1941年 [昭和16年] 廣川松五郎に師事、デザインを学ぶ。伊藤熹朔に師事。
  • 1942年 [昭和17年] 和田三造に師事、デッサン、図案を学ぶ。春台美術・本郷研究所に通う。
  • 1944年 [昭和19年] 東京美術学校(現東京芸術大学)工芸部図案科入学。
  • 1946年 [昭和21年] 外山卯三郎に西洋美術史およびバウハウス・デザイン運動の理論につき個人教授を受ける。
  • 1947年 [昭和22年] 阿部俊夫(東芝電気ガラス研究所室長)にガラスの科学的基礎を学ぶ。
  • 1948年 [昭和23年] 東京工業大学窯業科ガラス研究室研究生、森谷太郎教授にガラス組成の指導を受ける。株式会社岩田硝子製造所入社。
  • 1949年 [昭和24年] 第5回日展初出品。初入選、以後毎年出品、連続入選。糸子(旧三井物産社長山本正男長女)と結婚。
  • 1950年 [昭和25年] 東京工業大学窯業科ガラス研究室研修修了。
  • 1951年 [昭和26年] 東京美術学校工芸部図案科卒業。
  • 1953年 [昭和28年] 岩田工芸硝子株式会社に社名変更、代表取締役社長となる。
  • 1955年 [昭和30年] 第11回日展特選受賞。国際工芸美術家協会設立、初代理事長。カリフォルニア州博覧会・ブラッセル博覧会にて金賞受賞。
  • 1956年 [昭和31年] 第12回日展特選受賞。
  • 1957年 [昭和32年] 財団法人日本デザイン協議会理事。財団法人世界デザイン会議日本運営設立準備委員。
  • 1958年 [昭和33年] 肺結核のため女子医大病院入院(〜1961)。
  • 1959年 [昭和34年] 第2回日展審査員。以後数回。
  • 1963年 [昭和38年] 武蔵野美術大学講師。窯業協会理事(〜1967)
  • 1966年 [昭和41年] 第7回国際ガラス会議年会参加。
  • 1967年 [昭和42年] 十二指腸潰瘍摘出手術。胃摘出(〜1968)
  • 1968年 [昭和43年] 日本硝子製品工業会評議員。
  • 1971年 [昭和46年] 初の個展開催。
  • 1972年 [昭和47年] 日本ガラス工芸協会創立、初代会長。日展評議員
  • 1973年 [昭和48年] 社団法人窯業協会理事(工芸担当)。
  • 1974年 [昭和49年] 現代工芸美術家協会評議員。
  • 1975年 [昭和50年] 第1回「資生堂 現代工藝展」に出品。以後毎回出品。岩田工芸硝子株式会社社長を糸子に譲り、ガラス制作に専念する。
  • 1976年 [昭和51年] 第8回日展文部大臣賞受賞。労働省より技能者表彰審査員委嘱される。
  • 1979年 [昭和54年] 紺綬褒章受章。
  • 1980年 [昭和55年] 父岩田藤七死去。
  • 1981年 [昭和56年] ホテルニューオータニ鶴の間にガラスによる大装飾壁面製作。
  • 1982年 [昭和57年] 第23回毎日芸術賞受賞。第38回日本芸術院賞受賞
  • 1985年 [昭和60年] 食道癌摘出手術(〜1986)
  • 1986年 [昭和61年] ニューヨークメトロポリタン美術館20世紀Design and Architecture部門に藤七・久利・糸子作品が永久収蔵される。
  • 1991年 [平成3年] 直腸癌摘出手術。肺結核再発入院(〜1992)。
  • 1993年 [平成5年] リンパ腺癌コバルト照射のため3ヶ月入院。最終の個展開催。日展及び資生堂現代工藝展に最終出品。
  • 1994年 [平成6年] 1月8日死去。68歳。

叙勲 勲四等旭日小綬賞

主な作品収蔵
 東京国立近代美術館
 京都国立近代美術館
 北海道立近代美術館
 日本芸術院
 ニューヨーク・コーニングガラス美術館
 ニューヨーク・メトロポリタン美術館
 デュッセルドルフ美術館
 パリ装飾美術館
 デンバー美術館
 資生堂アートハウス

岩田久利の写真

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